美祢市秋芳地域まちづくりセンター

公民館や図書館、体育館などの公共施設が建てられていた町の中心部の敷地の中、体育館を取り壊した後の土地に整備した建築である。隣接する敷地には、市民も利用できる中学校のテニスコートや、プールが一体的に整備されている。

施設(美祢市秋芳地域まちづくりセンター)は、美祢市役所の秋芳総合支所機能、地域図書館（秋芳図書館）、地区公民館(秋吉公民館)、森林組合の支所、信用金庫のATMコーナー、などから構成されている。建物は，４つの棟に分節し、建物のほぼ中心に中庭を設け、中庭を取り巻くように各機能を配置し、全ての部屋が中庭にひらく構成とした。全体で1000�uを超える建築となるため、200�uを超え耐火要件が求められる多目的ホール廻りを耐火建築とし、それ以外をその他建築として分割し、出来るだけ木造部を増やすことを考えた。西側や、南側の外周部にRCの壁を配置し、水平力を負担させ、木造部は、軸組だけで成り立つ構成とし、開放的な木造建築を実現することができた。建物全体が開放的なため、どこにいてもほかの空間で行われていることの雰囲気が緩やかに伝わって、地域のつながりを感じることができる。

建物は，４つの棟に分節し、既存集落が持っているスケール感を損なわないように配慮し、切妻屋根の南面には太陽光発電パネルを設置した。また、地中熱利用システムの先駆的な試みをしている企業の本社が地域内にあり、そのシステムを、多目的ホールと執務空間の空調システムに活用し、環境負荷の低減に努めている。