美祢市美東地域まちづくりセンター

旧美東町役場の近くに美東保健センターとして整備された築20年の建築（S造917�u）が建っており、その建物を再生活用し、不足する面積を増築して新しい地域の中心となる施設（美東地域まちづくりセンター）をつくる計画である。既存施設の再生活用の方針はは、コスト削減を目指してのワークショップにおける市民提案であった。

建物の南側は、グラウンドとして利用されており、使える敷地には制限があった。改修部と新築部の「つなぎ」となるエントランス空間を新たに設け、既存の建築に沿わせるように平行に並べる配置計画とした。改修部には、美祢市役所の美東総合支所の事務所カウンターなどを中心に、会議室・研修室などの公民館機能と、商工会、シルバー人材センター、森林組合などの事務所を配置した。既存部と新築部の間のつなぎの部分には、鉄骨造の耐火建築を挟み、その位置に公民館の事務所を設けた。増築部には、親子で読書ができる小さな部屋のある図書館、放課後児童クラブのための部屋、子育て広場の部屋、そして様々な活動ができる多目的ホールなどがある。増築部は、美祢市有林の木を使った大型木造公共建築である。木は１年前に伐採し、充分乾燥させて使った。部材寸法は、一般の住宅に使う程度の標準的な断面を使った構造計画とした。施設の中心となる多目的ホールは、架構は、中心をずらした切妻とし、北側に高窓を設け、南から北への風の流れをつくり、光と風の流れに沿ったカテナリー状の下弦材が特徴的なトラス構造とした。

既存部と、増築部に添わせてつくった鉄骨のキャノピーと半外部通路が施設の新しい顔をつくっている。